マレーシアで安全運転する鉄則3つ | 日本と違う道路事情 【マレーシア駐在員が解説】

 

 

 

日本を離れてMalaysiaで生活することになったけれど，Malaysiaで運転することに不安を感じませんか？

 

本記事では次の不安を解消するように書きました．

 

 

Malaysiaと日本の道路事情の違いも説明しますので，Malaysiaで運転する前に本記事を読んでいただけると現地での運転の心備えになります．

 

本記事は次のような方に向けて書きました．

 

 

 

私はMalaysiaで駐在員をして3年目になります．勤めている現地法人まで車で通勤していて，自宅と会社を毎日往復約1時間の運転をしています．

 

週末は車で街中で買い物に出かけたり，ちょっとした長期休暇には車でMalaysia半島を車で旅行をします．

 

Malaysiaでの車の運転歴3年の私が，Malaysiaで運転する際に気をつけたほうが良い心構えと日本の道路事情との違いを解説します．

 

 

この記事を読み終える頃には，Malaysiaでの運転で気をつける注意点が分かり，事故を大幅に防げます．

 

Malaysiaの車事情

 

Malaysiaは日本と同じ右ハンドル・左通行ですので，初めてMalaysiaで運転をしても思いのほか違和感なく運転をすることができます．

 

 

Malaysiaに移住する前の私は東京に住んでいて車を持たない生活をしていたので，Malaysiaに移住して日々車を運転することになり戸惑いがありました．

 

「ペーパー・ドライバー」の私からみた日本とMalaysiaの車事情の違いを解説します．

 

日本と同じ右ハンドル・左側通行

 

Malaysiaは日本と同じ「右ハンドル・左側通行」の運転規則を採用しています．

 

交通規則については日本の規則に従っていれば，Malaysiaで違反になることは少ないです．

 

逆にMalayaisiaの交通規則では一部道路で，直進方向が赤信号でも左折は自由に行える場合があります．

 

 

Malaysiaで運転するための免許証

 

日本で国際免許証を取得して携帯していればMalaysiaで運転をすることができます．

 

ただし，国際免許証の有効期限は1年であるため，1年以上Malaysiaで滞在する場合は要注意です．

 

2019年以前は，日本の国際免許証とビザをもとにしてMalaysiaの運転免許証を発行してもらえたのですが，2019年以降は国際免許証をもとにしたMalaysia免許の発行を停止しています．

 

2021年1月からは新規免許証を入手可能となっていますが，申請から免許証を入手するまでに数ヶ月かかる事例が同僚の間でよく耳にします．

→在マレーシア日本国大使館：各種証明書発行

 

 

Malaysiaで人気の車メーカー

 

2021年Malaysiaでの販売車数ランキングは次になっています．

 

引用：ZIGWEELS 2021 Sales Report: Best selling cars in Malaysia

 

 

Malaysiaの車値段は？

 

Malaysiaで人気の車種について価格をまとめました．→WapCar

 

車名	車の種類	価格（RM）	価格（日本円）*参考
Perodua Myvi	Hatchback	RM45,700-RM58,800	140万円-180万円
Proton X50	SUV	RM79,200-RM103,000	230万円-310万円
Toyota Vios	Sedan	RM74,623-RM95,284	225万円-290万円
Honda Civic	Sedan	RM125,634-RM144,350	380万円-435万円

 

マレーシアのガソリン値段

 

Malaysiaのガソリン値段は日本の約3分の1です．

 

 

2022年6月現在，Malaysiaは約60円/ℓですが，日本は163円/ℓとなっています．

 

source: tradingeconomics.com

 

 

おすすめ道案内アプリ『Waze』

 

Malaysiaの道案内アプリとしては『Waze』が普及しています．

 

 

 

しかも日本語による音声案内を選択できます．

 

『Google map』は同じく道案内アプリとして便利なのですが，『Waze』は「警察の取り締まり」「工事情報」を表示してくれるので私は『Waze』を使っています．

 

そんなWazeですが，曲がる場所の指示がわかりずらい．

 

Wazeが悪いのではなくMalaysiaの道設計が悪いのですが，「100m先左に曲がってください」と指示があっても，100m先に3箇所左に曲がる場所があり，どれを曲がれば良いのか分からないことがあります．

 

ドラレコで万が一の事故に備える

 

Malaysiaで事故を起こすと，Malaysia警察官に事故事情を説明して，事故の処理をしなくてはなりません．

 

警察官はMalaysia人です．私の主観ですが90%はMalay系で，話したことのある警察官の90%は英語を話せずMalay語のみを話します．

 

私が実際に車事故を経験して，警察署で事情説明した体験記は次の記事をご覧ください．

 

【私の事故体験】マレーシアで自動車事故にあったら？ポリスレポート作成方法

続きを見る

 

Malaysiaで他の車との事故した場合，高い確率で相手の運転手はMalaysia人です．

 

自分は日本人でMalay語を使って警察官に事情説明はできません．しかし，相手の運転手は母国語のMalay語で流暢に現場説明をします．

 

Malaysiaで事故を起こすと，Malay語で警察官と相手の運転手が打ち解けているのを固唾を飲んで見守らなくてはならない場面に引きずり込まれます．

 

 

異国の地で，言葉が通じない警察官を手振りで説得することは難しいので，客観的な記録としてドライブ・レコーダーの録画があると有利です．

 

 

Malaysia国内でもドライブ・レコーダーは普及していて，実用性が認知されています．

 

 

Malaysiaでは事故が頻発？

 

Malaysiaの交通安全事情は，正直に書いて「悪い」です．

 

私は毎日車で会社に通勤していますが，1週間の間に必ず1回は事故現場を目撃します．

 

 

事故だけでなく，路上の故障車もよく見かけます．

 

通勤時間帯を日々運転しているので，事故に遭遇する確率が日本に比べてMalaysiaの方が上がっていることは一方の事実です．

 

ヒヤリとするMalaysiaの運転マナー

 

私は大きな事故に巻き込まれたことは幸いありませんが，日常的に危険な場面に出くわします．

 

 

私は3年間Malaysiaで運転をしているので，他の車・バイクの動きは予測しながら危険を回避することはできます

 

 

Malaysiaの交通事故件数は日本の27％多い

 

統計データを参照して，Malaysiaと日本の交通事故件数を比較しました．

 

都市封鎖が行われて強制的に経済が停止した2020年を参照すると，Malaysiaと日本の感染症対策政策による違いが交通事故件数に影響してしまうため，武漢肺炎が蔓延する前の2018年の統計データを参照しました．

 

 

2018年の交通事故の件数は，Malaysiaが日本よりも+27%多い結果でした．

 

 

日本の人口はMalaysiaの人口の4倍多いことを考えて，人口あたりの事故件数で比較すると，Malaysiaの交通事故は人口あたり日本の5倍多いことが分かります．

 

 

Malaysiaの交通事故死亡者数は，日本において交通事故死亡者数が悪化を続けた1980年代の「第2次交通戦争」を超える水準です．

 

安全な運転をする鉄則3つ

 

私がMalaysiaで安全運転をする上で心がけている鉄則は次の3つです．

 

 

真ん中の車線を走る

 

追い越し車線は暴走車のような猛烈な速度で走り抜けていく車が多いので，無難に真ん中の車線が安全です．

 

一番左の車線は，バイクの走行が多いです．

 

故障車が路肩に停車していたり路肩で工事をしているときに，バイクが故障車を避けて車線の中で不規則な動きをすることがあるので，一番左の車線は追越車線以上に注意が必要です．

 

車間距離を充分に確保する

 

車間距離を充分にとっておけば，反射神経により不測の事態に事故を避けることができます．

 

Malaysiaでは他の車の動きが読めない時があるので，安全な車間距離の確保が必要です．

 

他の運転手に理性があると期待しない

 

「他の運転手が（自分と同じ）理性を持っている」とは期待してはいけません．

 

そして，「他の運転手は運転がうまいだろう」という甘い期待もいけません．

 

平気で信号無視をしたり，後ろからパッシングで煽ってきます．方向指示器を点滅させずに急に車線変更もします．

 

相手がきっと避けてくれるだろうという期待はせずに，最悪の動きを予想して運転をしてください．

 

Malaysiaにおける運転・交通の注意点

 

Malasiaで運転する上で最低限知っておきたい，日本との道路状況の違いを解説します．

 

やんちゃなバイクが多い

 

Malaysiaの道路事情として，日本に比べると圧倒的にバイクが多いことが特徴です．

 

交通機関が発達している都市部でも公共交通機関は時間がかかり不便であったり，地方ではそもそも公共交通が充実していないので車・バイクが日々の足となっています．

 

収入が少ない人はバイクを選択します．

 

 

バイクとの接触事故を気をつけなくてはいけないのは書くまでもないのですが，Malaysiaの場合はバイク運転手のマナーが悪すぎるので一層の注意が必要です．

 

例えば，信号無視．

 

目の前の信号は赤なのに無視して，突っ走るバイクが多いです．

 

他には，スマホのながら運転，逆走をするバイクは少なくなく，命知らずのバイクの運転に見ているこちらがヒヤヒヤさせられます．

 

在宅する人が多くなった結果，配達が一気に普及して街中に緑色やピンク色のバイク配達員が急増しました．

 

 

古き時代の車の故障

 

おじいちゃんの車を引き継いだと見受けられるような，ボンネットの塗装が剥がれたProtonが爽快に街中を走っています．

 

 

Malaysiaは車検制度がないため，日本の車検であれば合格しないであろう車が現役で道路で走っています．

→KL日本人会 交通事情

 

オンボロ車の故障車が路肩によく止まっており，ときには道路の片車線を塞ふさいでしまい渋滞を引き起こします．

 

豪雨で浸水は日常行事

 

安全に運転するためには自分の運転技術が大事であるだけでなく，道路事情を把握しておかなくてはなりません．

 

 

私も初めてMalaysiaで運転をしたときは，空から降ってくる大雨で道路が浸水して怖くなりました．

 

ゲリラ豪雨に要注意

 

Malaysiaは熱帯雨林気候のため，突然の豪雨は珍しくありません．

 

文字通り地面を叩きつける雨となり，ときには目の前が真っ白になるくらい降水量が多いときもあります．

 

 

運転に影響する雨量

 

豪雨が降ると危険になる理由は，

 

 

豪雨が降ると危険になる背景には，Malaysiaのインフラ問題があります．

 

道路の排水系統は貧弱で簡単に浸水を起こし，工事中の高架は排水の対策がとられておらず水をただ垂れ流すだけとなっており，高架下を通る車の車窓に滝のように降り注ぎます．

 

 

工事現場が道路環境を悪化

 

Malaysiaは高架橋が多く，見上げると複数の高架橋が複雑に交差している場所が多いです．

 

 

工事中の高架橋が多いのですが，近くを走行するときはできるだけ，工事現場のすぐ脇は通らないようにしたほうが良いです．

 

工事現場の仕切りが車線にはみ出してきて危険になっています．

 

工事の進行により道路の車線が書き換えられているのですが，書き換えた前後の車線が残っており，どこを走ったら良いのか分からなくなり危険です．

 

工事中の高架橋からコンクリート落下

 

工事中の高架橋をみていると，作りかけのコンクリートの塊が今にも崩れそうで心配になることがあるのですが，実際にコンクリートが高架橋から落下する事件が発生しています．

 

2020年9月に発生したコンクリート落下事件では，女性が運転していた車の上にコンクリートの塊が落下して直撃しました．

 

車は破損しましたが，運転していた女性は軽症でした．

 

引用：MalayMail Woman cheats death after concrete slab falls on car in KL

 

 

工事現場を通り掛かるたびに，上から何か降ってくるのではないかと怖くなりますが，何かができるわけでもなく，何事もなく走り去ることを祈るばかりです．

 

暑い道路でタイヤが溶ける

 

Malaysiaは一年を通して日中の気温が30度を超えるため，道路の温度は熱せされており車のタイヤにとっては過酷の環境です．

 

 

高速道路の路面には，無惨むざんに裂けたタイヤが線状に捨てられています．

 

 

方向指示器（ウィンカー）を使わない

 

Malaysiaでは，方向指示器を使わない人が多すぎます．

 

左車線から急に車線をはみ出してきたと思ったら，方向指示器を点滅させることなく，車線変更をしてきます．

 

 

センスの悪い道路設計

 

Malaysiaの道路を擬態語ですると，「くねくね」です．

 

ジャングルを開拓してできた土地のためなのかどうか分かりませんが，道が「くねくね」曲がっています．

 

 

3年間毎日通勤路を運転していますが，途中自分が東西南北のどちらを向いているかいまだによく分かりません．

 

しかも一度別れ道を間違えると，元の場所に戻ってくるのに30分かかることも珍しくありません．

 

高速道路では，入り口の後に出口がある謎設計が多く，高速道路に入ってきた車と高速道路を降りる車が錯綜して非常に危険になっています．

 

 

困った渋滞

 

Malaysiaは渋滞が多いです．

 

2020年3月以降，Malaysiaで発令された都市封鎖により道路を運転している車の数は減ったので渋滞は減っていますが，以前は慢性的に渋滞が発生していました．

 

 

渋滞の理由は，

 

 

渋滞に巻き込まれて1時間で1mも進まない絶望的な渋滞は少ないですが，待ち合わせの時間がある時は混まない時間帯を選んで出発したほうが良いです．

 

回転しないロータリー

 

Malaysiaには「roundabout」と呼ばれる環状交差点が多数あります．日本ではあまり見ない交差点の形式です．

 

 

特徴としては交差点に信号機がなく，交差している箇所が環状になっていて，環状道路を回りながら行きたい方向の出口で曲がることができることです．

 

 

信号機がある交差点と違い，停止が求められないので，交通量が少ない場所の交差点では「roundabout」は便利です．

 

便利なように聞こえる「roundabout」ですが，決定的な弱点があります．

 

弱点とは，「中央の環が混雑しやすい」ことです．

 

田舎のような交通量が少ない交差点であれば，環状交差点に入る車は1台，2台ですので問題はありません．

 

Malaysiaの首都Kuala Lumpurにも「roundabout」は多数設置されていますが，環状交差点の輪が小さくて一度に環状交差点に入れる車が限られているのに，交通量が多いために輪の中の車が停滞してしまいます．

 

交通量の多い場所であると環状交差点に車が入れないくらい混んでしまい，出たい車と入りたい車が錯綜して，混沌とします．

 

まとめ：車間距離を保ち，運転中は目視確認の徹底を！

 

Malaysia人の性格は一般には温厚で，人気店の入店の列はきちんと守り，ときには譲ってくれます．

 

しかし，車の運転となると同じMalaysia人とは思えない「やんちゃ」な運転をします．

 

 

Malaysiaは東南Aisa諸国の中では比較的安全に車の運転ができる国として，駐在員にも運転が許可されていることが多いですが，異国の地での運転ですので日本で運転する以上にお気をつけください．

 

 

日本と同じ右ハンドルですが，Malaysiaの気候による道路環境の違いなどは最低限理解した上で運転すると急な天候変化による事故は避けれます．

 

もしも事故に遭った時に言葉が通じない警察官を手振りで説得することは難しいので，客観的な記録としてドライブ・レコーダーの録画があると便利です．

 

 

ここまで本記事をお読みいただきありがとうございます．

 

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