海外の仕事に対する考え方

マレーシア仕事

海外と日本の仕事に対する考え方の違いを8つの視点で解説【マレーシア3年で見えてきたこと】

2021年7月30日

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私はいま24歳で,日本の企業で働き始めたのですが,将来海外で働きたいと考えています.

日本で働いた経験はあるのですが,海外と日本では仕事に対する考え方がどのように違いますか?

 

こにゃん
こんにちは,こにゃん(@こにゃん)です.

本記事では日本と比較して,海外での仕事,職場の違いを私の実体験をもとに書きたいと思います.

 

海外で働きたいけど,日本とどのように働き方が違うか気になりませんか?

 

本記事は次のような疑問にお答えするために書きました.

 

海外での仕事に関する疑問

  • 海外では離職率が高いと聞いたけど実際のところは?
  • 日本人の時間厳守は海外では通じない?
  • 海外の人は家族優先で残業はしない?

 

私は日本で数年働いたのち,Malaysiaの現地法人で3年間駐在員として仕事をしています.

 

現地では同じ世代のMalaysia人の同僚に認めてもらうために仕事を頑張っていき,Malaysiaでの仕事が少しずつ楽しくなってきています.

 

本記事では次のように向けて書きました.

 

こんな方におすすめ

  • 将来,海外で仕事をすることに興味がある方
  • 日本での働き方に違和感がある方
  • 駐在員を目指されている方

 

最初は慣れない外国での仕事に戸惑うこともありましたが仕事が順調になってからは,海外の職場での人間関係を観察できるようになりました.

 

本記事の8つの視点ポイント

  • 海外の職場にも残業時間が長い「仕事人間」はいる?
  • 海外では時間にルーズで時間管理ができない?
  • 海外の人は給料についてどう考えている?
  • 海外の職場は転職が当たり前?
  • 個人主義?それとも集団主義?
  • 仕事の役割は決まっている?
  • 年功序列は日本だけ?
  • 職場の雰囲気は?

 

Malaysiaでの体験をもとにして書いていますので,当然,他の国での職場では違うところもあります.しかし,共通するところがあると思いますので,ご参考にしてください.

 

異文化理解力を高めたい方は次の本がおすすめです.


 

ぜひ記事の最後までお付き合いください.

 

労働時間:海外にも残業時間が長い人はいる?

 

「海外の職場では家族との時間を優先するので残業はしない」というのは,70%ほど正しいです.

 

本当に必要な残業ならば夜21時まで職場に残って残業をする人もいますが,必要のない「お付き合い残業」をする人は少ないです.

 

こにゃん
上司が残業していても,自分の仕事が終わっていたら颯爽さっそうと帰宅していきます.

 

海外仕事に対する考え方 労働時間 残業

 

私が働いているMalaysiaは多民族国家です.民族ごとに働き方が違うので観察をしていると発見があります.

 

個人的な偏見では,次のような傾向があります.

 

  • Malay系・India系は定時に帰ることが多い
  • Chinese(華人)は残業をいとわない

 

家庭に小さなお子さんがいる同僚は,男性であろうと女性であろうと定時で帰ります.優先順位が子育てになっていて,周りも理解しながら業務分担を進めています.

 

定時に帰ることを優先して仕事の締切をあまり意識していない人もいるので,こまめに仕事進捗を確認してあげる必要があります.

 

仕事に誇りを持っている同僚は多く,私生活と仕事の両立をしている人が多いように感じます.

 

ポイント

「残業を長くしている=仕事を真面目にしている」とはみなされず,残業時間の長さで仕事の評価は良くなりません.

 

時間管理:海外の職場は時間にルーズ?

 

電車が1分遅れただけでも車両内に遅延を詫びる放送が流れる日本ですが,日本の時間厳守は海外でも有名です.

 

海外の職場では,日本と同じような時間管理がなされているのでしょうか?

 

海外仕事に対する考え方 時間管理 ルーズ 締め切り

 

私の主観ですが,仕事において日本人の時間厳守度を100とすると,Malaysia人は80くらいです.

 

個人差は大きいので,Malaysia人同僚の中には日本人よりも時間厳守をしてくれる人や,逆にマイペースで締め切りなんて忘れて仕事をする人もいます.

 

同僚の時間管理については直してくれるとは限らないので,自分から同僚に対して積極的に仕事の進捗を確認していくことが大事です.

 

海外の同僚と仕事をしているとき,締め切りを守ってもらうために私が意識していることは次の項目です.

 

ポイント

  • こまめに進捗を聞いて,仕事の締め切りを意識してもらう
  • 本当の締め切りの1日前に,締め切りを設定しておく

 

こにゃん
仕事を離れるとMalaysia人は私生活ではのんびりしていて,Malaysia人の「人生は焦らず楽しもう」という姿勢が私は好きです.

 

給料:海外の人は給料についてどう考える?

 

海外の同僚は,給料・ボーナスの金額はすごーく気にしています.

 

給料日はもちろん,ボーナス支給日になると職場全体が盛り上がります.

 

海外仕事に対する考え方 給料 ボーナス 貯金

 

上司が一人一人にボーナス額が書かれた紙を手渡すのですが,受け取った同僚はみんな嬉しそうです.

 

普段は少し不機嫌な同僚も,ボーナスを受け取った日は上機嫌です.

 

海外の職場では,ボーナス査定に文句がある人は直接上司に査定が悪かった理由を問いただすことがあります.

 

こにゃん
Malaysiaの新卒の初任給は日本円で10万円にも届きませんが,自分の給料よりも高い10万円以上するiPhoneの最新機種を買っているところを見ると消費意欲は強いです.

 

日本人の貯金癖は世界の常識ではないと意識されます.

 

ポイント

金額が高くて手に届かないものがあるからこそ,仕事を頑張って給料を上げて生活を豊かにしたいという活力が若い世代には特に強いです.

 

転職:海外では可能性が高い方に人が動く

 

日本では,長期的に給料が増加することを期待する傾向があります.

 

海外では今の職場よりも給料が少しでも高い求人募集があると,入社して1年以内であろうが機会を逃さず転職をしてしまいます.

 

海外仕事に対する考え方 転職 離職

 

「Job hopping(転職を頻繁にすること)」が日常的に行われます.新入社員の頃から育ててあげた義理人情は通用せず,転職する人はあっさりと退職をしていきます.

 

私の職場での転職した人を数えると,おおよそ4年で全員が入れ替わる計算になります.実際は管理職を中心に長く勤めている人もいますので,管理職を除くと3年弱で全員入れ替わっています.

 

入社3年以内は同僚たちがいつ転職をしてしまうのか気になってしまいます.入社して3年を過ぎると,転職率が下がっていきます.

 

同僚が仕事で間違いをした時に指摘したいのですが,言い方を気をつけないとすぐに「逃げ出し」てしまうのが悩みです.

 

20代から30代前半までは「job hopping」が続きますが,30代後半の社員になると腰を据えて働いています.

 

ポイント

海外の職場では転職を繰り返して給料が上がっていく「job hopping」が日常的に行われます.いつ誰が辞めても業務が進むように仕事の標準化が大事になります.

 

こにゃん
日本人赴任者として働いている私は海外の同僚に給料以外のところで成長の機会を与えられるように試行錯誤しています.

 

人事制度:海外の職場は年功序列?実力主義?

 

海外の職場では「実力主義」が根強いです.

 

海外仕事に対する考え方 人事制度 年功序列 実力主義

 

私の勤めている企業は日本企業のMalaysia法人であるため,日本の年功序列制度の文化が少し根付いています.

 

日本文化がある海外現地法人でさえ,入社年次が浅くても優秀であれば責任ある仕事を任されて,年次が上の先輩を追い越して出世していきます.

 

ましてや日系ではない海外企業であれば,より一層「実力主義」の傾向は強いです.

 

後輩に抜かれて出世できなかった人は,いまいる会社を去って転職をしていきます.

 

今いる会社で出世の可能性が低いと見切ったらすぐに転職していく職場の雰囲気は冷徹だと最初は感じましたが,出世の可能性が低い職場で働き続けるよりは可能性がある他の場所で挑戦をすることの方がキャリアとしては良いと今は考えています.

 

ポイント

海外の職場では年功序列よりも実力主義が根強いです.仕事ができて,仕事に熱心な人には新しい挑戦の機会が与えられます.

 

職場の雰囲気:海外では仕事仲間と業務外では会わない?

 

「海外の職場は実力主義」と前の章で書きましたが,職場の雰囲気は若々しくて和気あいあいとしています.

 

海外仕事に対する考え方 職場の雰囲気

 

私の職場の平均年齢は30歳前後です.職場は若々しい活力があります.

 

こにゃん
課長が40代後半ですが,半分以上が20代です.私のような30代はすでにベテランとみなされます.

 

新人が毎月入社してきてどこかの部署に配属されてきます.日本のように4月一括入社ではありません.

 

職場が和気あいあいとしている理由は年齢の若さだけではなく,Malaysia人は職場でも友だちのような付き合いを好むこともあります.

 

普段と変わらない日でも仕事終わりにみんなで一緒にご飯を食べにいきます.誕生日会を開いたり,ちょっとしたお祝いを職場で行います.

 

同僚の家庭で赤ちゃんが産まれたら,職場のみんなで贈り物をします.

 

退職した元同僚も誕生日会の時は呼ばれて顔をみせたり,同僚を超えた友だちとしての関係性を大事にする文化があります.

 

MalaysiaはIslam国家ですので「飲み会」は原則ありませんが,お酒がない食事会でも充分に盛り上がります.

 

ちなみに,海外の職場では英語で話しているときには,年齢に関わらず,相手の名前に「Mr.」「Ms.」をつけずにお互いに呼び合います.

 

日本人としては「年上の同僚にも呼び捨て?」と最初は唖然としてしまうのですが,慣れてくると「呼び捨て」は,気軽に自分の意見を発言できる雰囲気の役に立っています.

 

ポイント

海外の職場に馴染めないと感じたら,ぜひ積極的に仕事終わりの食事会に参加して仕事以外の場所で同僚と打ちとけるようにしてみてください.

 

チーム:海外での仕事は個人主義?集団主義?

 

日本は野球に代表されるように「チームで成果を出す」ことが強く意識されます.一人で活躍しても,チームに貢献しないと減点されることもあります.

 

海外のどの国で働くかによって,職場の「個人主義」と「集団主義」の傾向は分かれると思います.

 

海外仕事に対する考え方 チーム 個人主義 集団主義

 

私が働いているMalaysiaの職場では「集団主義」の傾向が強いです.

 

個人の意見・価値観を強調する個人主義に比べると,チームとしてどのような成果を出すかということに重点が置かれています.

 

Malaysia人は自分の意見をはっきりと伝える人が多いです.

 

自分の意見を会議で発信しますが話し合いでチームで方向性が決まると,きちんとみんな全体の方向性に従って協力してくれます.

 

ポイント

上司の前でも部下は自由に発言して,時には上司も意見を柔軟に変えますが,最終的にはみんなで一つの方針を出すことを大切にしています.

 

仕事の役割:海外の仕事は役割が明文化されている

 

海外企業では,仕事の役割(job description)が明確に決められています.

 

海外では人を雇用するときに「業務内容」が契約書に書かれています.契約書に書かれていない業務内容については原則従業員に指示をすることができません.

 

海外仕事に対する考え方 仕事の役割 job description

 

海外でチームとして仕事をする上では,同僚たちは与えられた業務以上のことはしませんので,役割分担が正しく割り振られているか確認が必要です.

 

役割分担がきちんとなされた上で,不具合があるときは問題が起きた業務の担当者が責任を取ります.

 

日本の場合は業務内容があやふやで,「誰かがやらなくてはいけない業務」は気づいた人が率先して行っていきます.

 

時には同僚の業務進捗が遅い時は,同僚の業務を助けたりします.

 

チームで業務を行う時は,空気を読みながらお互いに助け合いながら成果を出していくのが日本企業の特徴です.成果で問題があったときは個人責任ではなく,チームとして責任を引き受けます.

 

ポイント

海外の職場では,仕事の役割が明確に決められています.「誰かがやってくれるだろう」という期待はしない方がよく,きちんと業務の割り振りを行う必要があります.

 

まとめ:海外の職場の違いはあるけれど,実力があれば認められる

 

日本と海外の仕事に対する考え方の違いをまとめてきました.

 

本記事のポイント

  • 海外でも「残業の鬼」はいるけれど,残業時間は評価とは関係ない.
  • 時間管理は任せるのではなく,細かく進捗管理をする.
  • 給料の額には敏感で,ボーナス査定に異論申立てする.
  • 転職は昇給の一つの手段としてより良い環境を目指す.
  • 実力主義の世界で,「上」に行くか「外」に行くか.
  • 会社と囚われず気が合う人と付き合う.
  • 合理的な意見を採用していく.
  • 仕事の役割が明文化.

 

私がMalaysiaで3年間仕事をした経験をもとに,海外の職場について書きました.

 

「一つの会社に居続けることが目標ではなく,必要ならば環境を柔軟に変えていくところ」は,海外で仕事をしてみて見習うところです.

 

努力して結果を出し続ける人にさらなる成長の機会を与える実力主義ですので,職場の環境が自分の能力に合っていれば成長の加速度が一気に上がります.

 

私自身,日本にいたら10年間働いても得られなかったような仕事の機会を,Malaysiaでは若手のうちに任されて挑戦することができました.

 

仕事では実力主義の中で同僚とは切磋琢磨しながらも,私生活では仲良くしてもらい,かけがけの無い友人を得ることができました.

 

ここまで本記事をお読みいただきありがとうございます.

 

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こにゃん
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