2020年12月14日より,Malaysia入国の際の強制隔離期間が従来の14日から10日間に短縮されました.
まだまだ鎖国解禁とはいきませんが,来年の国際間の往来を復活させるための大きな前進です!
隔離期間は10日に短縮されましたが,さらに7日間に短縮する方法もあります.
ただし,7日間の短縮方法は落とし穴もあるのでご注意ください.
Malaysia入国時の隔離期間は10日に短縮
Malaysiaへの入国条件は緩和をされつつありますが,入国時の隔離2週間が大きな障壁になっていました.
隔離期間14日の見直し
2020年12月13日の会見の場で,Malaysia厚生省のDr. Noor Hisham Abdullahは,「現在Malaysia入国者の隔離期間を14日間と定めていますが,10日間に短縮する」と発表しました.
隔離後8,9日目に血液検査を行い,陰性だった場合無事に隔離解除となります.
帰国者だけではなく,感染者との接触者に対する自宅隔離期間も14日から10日に短縮します.
→ FMT: Covid-19 quarantine cut to 10 days from tomorrow
隔離期間短縮適用は会見の翌日,12月14日からです.
医学的見地からの見直し
英国,独国などはすでに入国者への隔離期間を10日に短縮している例に挙げています.
病原菌に接触した後,1週間で最も伝染率が高くなる定説に則り,隔離期間の短縮を判断しています.
年末年始の休暇に祖国に帰国して再びMalaysiaに再入国する人が多いことを考えると,例え4日の隔離期間短縮でも吉報です.
医者主導のMalaysia vs 政治主導の日本
Malaysia厚生省(MOH)が感染症予防に関する方針を大胆に決めている印象があります.
隔離期間の短縮について,12月4日にすでにDr. Noorは言及をしていましたが,10日経過した12月14日の会見で現実の政策に移しました.
Dr. Noorは,疫学病に忠実に政策を決めている科学の人という印象が強いです.一方で経済面に関する配慮が少ないように思います.
経済に関する政策をDr. Noorに求めるつもりはありません.経済は政治が決めることです.
本来であれば経済大臣が感染症対策と経済再起動の両輪を回して行かなければならないのですが,経済に関する政策が今まで蔑ろにされてきた印象を持っています.
日本政府の感染症予防方針とMalaysiaが違うと感じる点は,Malayisia政府は科学的根拠に基づき判断を行い,判断を即座に実行に移す点です.
隔離期間をさらに7日間に短縮する方法も
陰性証明書を持って入国,隔離は7日間に
Malaysia入国者に課せられた隔離期間14日を,半分の7日間にする方法があります.
ポイント
出国の3日前にPCR検査を受けて陰性証明書を持って,Malaysiaに入国する
有効な陰性証明書を持っている場合,入国後の隔離期間が7日間になります.
Travellers returning to Malaysia must test for Covid-19 within 3 days before departure, and then quarantine for 7 days after arriving.
Putrajaya says the other option is to undergo a Covid-19 swab test upon arrival in Malaysia, after which they will be quarantined for 10 days. pic.twitter.com/5EQERHFBhK
— BFM News (@NewsBFM) December 15, 2020
陰性証明書の落とし穴に注意
事前のPCR検査を持って入国すると,Malasyiaでの隔離期間が7日間に短縮されますが前提にご注意ください.
注意
- PCR検査方法は,鼻咽頭ぬぐい検査(swab検査)
- 出国前の4日前に2日前でもなく,3日前ぴったりにPCR検査を受ける
- 英文によるPCR検査陰性証明書
1. PCR検査方法は,鼻咽頭ぬぐい検査(swab検査)
PCR検査は,唾液検査ではMalaysiaでは陰性証明として受理されないことに注意してください.
日本でPCR検査を探すと,安価なPCR検査はほとんど唾液検査です.
Malaysia政府が認めている鼻咽頭ぬぐい検査は,日本国内でも検査を行なっている場所が限られており,自費3万円近くになり高額です.必ず事前のPCR検査予約をお忘れなく!
2.出国前の4日前に2日前でもなく,3日前ぴったりにPCR検査を受ける
鬼門は,「3日前ちょうどにPCR検査を受ける」点です.杓子定規に,3日前でないとダメなのか不明ですが,発表によると2日前でも4日前でもなく3日前でなくてはならないそうです.
PCR検査を受けてから,陰性証明書をもらうのに,通常1,2日かかりますので出国に間に合わない可能性があります.
ぜひ.即日陰性証明書を発行してくれる医療機関でPCR検査を受けることを推奨します.
3.英文によるPCR検査陰性証明書
日本語で書かれたPCR検査証明書ですと,KLIA(Kuala Lumpur国際空港)の関係職員が判別できませんので,英文での証明書の発行を医療機関に依頼ください.
まとめ
Muhyddin首相は国民の70%に新型肺炎のワクチンを供給する発言を会見でしており,国内でワクチン摂取が進めば国内の生活はおおよそ以前の様相に戻っていくでしょう.
問題は,国外からの入国者の受け入れです.
Malaysiaの2020年鎖国状況が,東南Asia他国と比較して極端に厳格であると言うつもりはありません.
むしろ,今回の隔離期間を従来の14日間から10日間への短縮も大きな決断だったと思います.
万が一,国外入国者が原因で集団感染が発生すれば現政権の信用は失墜します.
国内の新規陽性者数が1,000人を連日超えている緊張状況で決断したMOHは素晴らしいです.