マレーシア一般

Malaysia政府はPCR検査能力を拡大へ,CMCO2.0 第2日目,

2020年10月16日

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こにゃん
こんにちは,こにゃん(@こにゃん)です.

 

本日2020年10月15日で、Klang ValleyのCMCO2.0が施行されて2日目です.

初日と変わらず,大きな混乱があるわけでもなく,街中は通勤の車が減ったぐらいで,普段の生活と変わらない平日を送っています.

 

連日新型肺炎に関する新規陽性者が過去最大水準を維持している中,Malasysia保健省大臣が1日当たりのPCR検査数を50,000件以上にすると発言しました.

 

今後のMalaysiaの都市封鎖解除を占う上で重要なnewsだと思いましたので,取り上げてみます.

 

保健省大臣の発言としてPCR検査能力強化は注目すべきです.

PCR検査数を増やせば,陽性者は増えて,CMCO(Conditional Movement Cotrol Order,条件付き行動制限令)は延長されると私は考えています.

 

Malaysia厚生大臣,PCR検査数1日当たり5万件増強へ

本日2020年10月15日は,Klang ValleyでCMCOが再実行されて2日目となりました.

今後のMalaysia感染症対策の方向性を占う上で重要な発言が保健省大臣からありました.保健省大臣の発言から,政府の方針が症状の有無に関わらず陽性者を徹底的に追い詰めることであると分かります.

保健省大臣,PCR検査能力の拡大へ

連日500人を超える新規陽性者が検出される中,Adham Baba保健省大臣はCovid-19検査体制を1日当たり5万件に拡大すると発言しました.

FMT: Govt boosts Covid-19 testing capacity to more than 50,000 a day

Adham Baba保健省大臣の発言内容によると,MalaysiaのPCR検査状況は下記のようになります.

ココがポイント

  • 1日当たりの検査最大数は54,706件
  • 61箇所の国内試験所で検査体制を確立
  • 10月中旬時点で,PCR検査の稼働率は42%(1日当たり約23,000件の検査実施)
  • Sabah州の検査能力は2,500件/日,検査しきれない標本はMalay半島へ輸送されて検査される

現在のPCR検査試験所の稼働率が42%である理由は,設備や検査員数の問題というよりは,単純に検査をするべき対象が1日当たり23,000件しかいないということでしょう,

 

Adham Baba保健省大臣はさらに発言をしています.

Adham Baba保健省大臣

  • さらなる検査と集団検診を行うことでの試験所の稼働率をあげたい
  • 厚生省は,様々な機関と協力を続けて,Covid-19の拡大防止に尽力する

 

なぜPCR検査の稼働率を上げる必要が上げる必要があると大臣が考えている論理は記事からは読み取れませんでした.

 

検査稼働率をあげたいという保健省大臣発言は,国民全員をPCR検査させたいという政府の意図に読み取れます.

ワクチンの目処が立っていないために焦る政府の姿勢は理解できますが,症状の有無に関わらず陽性者を追跡することで医療機関は逼迫して,自由な国民生活への復帰は遠のきます.

MalaysiaのPCR検査陽性率は3%未満,統計の誤謬

陽性率は3%未満

MalaysiaのPCR検査能力数から,Malaysia国内のPCR検査陽性率を算定します.

  • 10月中旬の検査数は,1日当たり約23,000件
  • 10月中旬の1日当たり陽性者は500件-600件

上記の数字から次のことが計算できます.

2020年10月中旬時点でPCR検査数当たりの陽性率は2.2%-2.8%

偽陽性の疑いもある

偽陽性(病原体に感染していないにも関わらず,検査で陽性と出る症例)の可能性は指摘されています.

偽陰性は逆に,病原体に感染しているにも関わらず,検査で陰性と出る症例です.

 

PCR検査の偽陽性率は見つけることができませんでしたが,偽陰性率はおおよそ70%と考えらえれているようです.

PCR検査の感度(新型コロナウイルス感染症の方で、PCR検査が陽性となる割合)は現時点では高くて70%程度と考えられており、検査結果の判断は慎重に行う(PCR法で陰性でも、新型コロナウイルス感染症でないとは言い切れないことがある)必要があります。
出典:東京大学保健センター 検査

偽陰性は,真の感染者を検査でとり逃してしまうことなので社会に対する影響が大きいことは想像に難くありません.

偽陽性による弊害

しかし,偽陽性も同じように深刻です.

感染していない人を一時的に隔離することになるだけだから,無害なのでは?

もちろん,偽陽性の人が病原体を広めることはありません.問題は,偽陽性の潜在的な数が多すぎて,医療体制を圧迫する可能性です.

新型肺炎の罹患率が高くない世界では,新型肺炎に完成していない人が多数派です.感染していない多数に対して,一定の割合で偽陽性が出ると,無視できない人が”感染者”となります.

結果,感染してない”感染者”が隔離設備を占領することになり,本来隔離するべき本当の隔離者を隔離することができなくなり医療体制を圧迫します.

こにゃん

 

数学を用いて,検定の偽判定の招くparaを解説しました.下記記事もご参考ください.

あわせて読む
【確率論】検査は本当に有効?なぜ何回も検査を行うの?Bayesの定理で数学的に考察してみた

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日本とMalayisaの陽性者数の比較

2020年10月14日時点の数字をもとに,日本とMalaysiaのPCR検査数と陽性者数を比較しました.日本の数字は厚生省のdataを参照しました.

 

PCR検査の検査数を日本とMalaysiaで比較すると,ほぼ同じ23,000件/日.

人口比で見るとMalaysiaが積極的にPCR検査を実施していることが読み取れます.

 

PCR検査実施者あたりの陽性者率は,日本もMalaysiaも同じ2%台.

2%自体は,ほとんど検査判定の誤差内と言えなくもない…Malaysiaで感染が拡大して大変だというのは正しくありません.

むしろ無作為な集団PCR検査を増加させることで,偽陽性数が増えることこそが問題です.

まとめ

Malaysia厚生省は過剰にPCR検査数拡大を目指しているということです.

 

検査試験所の稼働率は42%しかなく,陽性者率は2.8%です.

誤判定を考慮すると,無作為に検査を大規模に拡大することは医療機関の圧迫につながります.

 

本当に症状が出ている人に限れば,現在のPCR検査で充分なはずです.

ましてや,Malaysiaは日本に比べて人口比で4倍のPCR検査体制を持っています.

さらなる検査体制の拡大が必要なのでしょうか?

 

政府が集団感染で世論を煽動して積極的にPCR検査数を増やしているだけのようにしか見えません.

国民と政府の間の信頼関係を構築するために,陽性者と感染者は2つの違うものであることをきちんと周知して欲しいです.

陽性者を増やすことは,感染防止にはなりません.

 
こにゃん
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こにゃん

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