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ワクチン接種の副反応に対するマレーシア補償金はある?【Malaysia 新型コロナ対策】

2021年2月25日

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こんなお悩みを解決

マレーシアでCovid-19のワクチン接種を検討しているけれど,副反応に対する補償が気になる

 

マレーシアでは,2021年2月後半からワクチン接種が開始すると聞きました.早いですね.

ワクチン接種後に懸念される副作用への補償はどうなっているのでしょうか?

 

こんにちは,こにゃん(@こにゃん)です.

2021年3月時点でMalaysia政府は,ワクチン副作用に対して下記の補助金を発表しました.

こにゃん

 

ワクチン接種が始まる現時点では,ワクチン接種を担当しているKhairy大臣は補償を検討していると会見で述べるにとどめていましたが,ついに副作用に対する補助金が発表されました.

Malaysiaの補償金制度は,予想通り近隣諸国のSingaporeと同程度の補助金内容となりました.

この記事は,次のような方にお役に立てるように書いています.

こんな方におすすめ

  • Malaysia在住でワクチン接種を検討されている方

 

この記事の内容は次になります.

本記事の内容

  • Malaysia政府のワクチン副作用に対する補償,副反応により重症または死亡した人にRM 500,000(日本円 1,300万円)
  • 高齢者は一定数自然に亡くなられるので,ワクチン集団接種後の死亡因果関係は不明確になる
  • Malaysiaのワクチン接種は任意,ただし半強制になる可能性も

 

ワクチンの副作用が出た時は,Malaysia政府が補償してくれる?

国別に,ワクチンの副作用に対する補助金の指針を紹介します.

Malaysiaの場合

ワクチン接種が開始した2021年2月時点では,「Malysia政府内で副反応補償内容について検討中で未定」となっていました.

Khairy大臣は,武漢肺炎のワクチンを摂取して,重大な副反応が出た場合の政府補償が出る整備をしていることを2月21日時点で明かしました.

2月14日の週にはすでに政府内で協議が開始していましたが,補償金額を含めて詳細はまだ発表されていませんでした.

FMT: Govt to compensate those having serious side effects from Covid-19 jab

Malaysiaの補償金

2021年3月22日になり,Malaysia政府はワクチン接種後の副作用に対して上記の補助内容を発表しました.

Edge Market: Malaysia sets up compensation fund for Covid-19 vaccination

ココがポイント

Malaysia

  • ワクチン副作用により入院が必要な人にRM 50,000(日本円 130万円)
  • ワクチン副作用により重篤な後遺症が発生または死亡した人にRM 500,000(日本円 1,300万円)

日本円 2.6億円相当の補償金基金

Malaysia政府は,RM 10 million(日本円 2.6億円)相当の副作用に対する補償金基金を設立します.政府はワクチンの安全性に対する自信の証拠として基金を設立したと述べています.

一人当たりの補助金額から計算すると,ワクチン副作用の補助金基金はおおよそ,20人分の重症化事例に対する補助金に相当します.

Malaysiaの人口が3,200万人ですので,160万人に1人の割合で重症化事例が発生すると安全性の高いことを政府は見積もっているようです.

人類初のワクチンを接種するという前提を考えると副作用に対する重症化の見積もりが甘いのではないかと感じます.

日本の場合

日本では,新型肺炎のワクチンを接種して亡くなった人の遺族に,一時金として4,420万円が支払われると田村憲久厚生労働相が衆議予算委員会で説明しました.

ココがポイント

日本

  • ワクチン接種をして亡くなった遺族に一時金4,420万円
  • 死亡時には医療きかんの過失に関わらず一時金が支払われる
  • ワクチン接種の副作用で,1級の障害が生じた場合,年間で約505万を支給

産経新聞:接種後死亡に4420万円 コロナワクチン、国が補償

日本政府の副作用の補助金の最高額とMalysiaを比較すると,おおよそ日本の補助金の方が3倍以上高いと言えます.

もしもを考えると日本の方が良いのですが,どこまで副反応のriskを考えるかは人それぞれなので一概に日本で受けなければいけないという話にもならず,どの国でワクチン接種するか自己判断になってしまいます.

Singaporeの場合

Malaysia政府が参考したと思われる,お隣Singaporeのワクチン副作用に対する補償金は次のようになっています.

ココがポイント

Singapore

  • ワクチン接種により重大な障害または死亡に至った場合,SG$225,000(日本円 約1,800万円)支給
  • ワクチン接種後,重大な副反応が出て集中治療を受けることになった場合,SG$10,000(日本円 約80万円)が一時補償金として一括支給

Singapore 保健省:UPDATE ON COVID-19 VACCINATION PROGRAMME

 

Singaporeの方が先に補助金programを発表していましたので,Malaysiaは確実にSingaporeの補助金内容を確認していたと思われます.

MalaysiaとSingaporeでは概ね同じような補助金水準となりました.

政府が副反応と重症化の因果関係を認めるか?

補償金の話が接種が本格的に議論されているのは,各国政府ともにワクチン接種を国民に前向きに行ってもらうための背中を押す制度を告知したいからだと思います.

ワクチン接種後の副作用による死亡が認められれば,政府は補償金を支払いますが,果たして「ワクチン接種と死亡」がそう簡単に認定されるのでしょうか?

副反応の因果関係解明は困難

Malaysiaでは2021年2月末から,医療従事者に対して先行したワクチン接種が開始しています.

すでに45歳の看護士がワクチン接種の数日後に亡くなるという案件が発生しています.政府は速やかにワクチン接種との因果関係を否定して,死因を心臓発作と特定しています.

私は,45歳の看護師の真の死因を特定できませんが,政府が急いでワクチンとの因果関係を否定して結論を出した様子を見て,「容易にはワクチン接種と重症化した場合の因果関係を政府は認めない」だろうと確証しました.

ワクチン接種に関わらず,人は死ぬという事実

哲学のようですが,「人は必ず死にます.」ワクチンを接種しようが,接種をしまいが,いずれ人は死にます.

何を当たり前のことを言っているのかと思われるかもしれませんが,ワクチン接種後に起こるであろう議論を考えると,忘れてはいけない事実です.

そして,政府はおそらくこの議論を用いて,「ワクチン接種と死亡」の因果関係を簡単には認めないでしょう.

国内で老衰する人は毎週1,755名

Malaysiaの人口統計によると,Malaysia国内において65歳以上の高齢者のうち毎週1,755名の方が亡くなられています.

これは,ワクチン接種に関係なく,様々な原因で亡くなられている人の数字です.数字には,天寿を全うされた方も含まれています.

 

Malaysiaでは4月以降,「60歳以上または感染症で重症化riskのある人」が優先してワクチン接種を受ける計画になっています.

4月以降,当然予想されることは,ワクチンを接種した後に亡くなられる高齢者です.

毎週1,755名の高齢者が亡くなっているわけで,ワクチン接種後も同程度の人数の高齢者が亡くなっていきます.

老衰死とワクチンによる死亡を区別できるか?

偶然にワクチン接種後の1週間後に高齢者が亡くなられた時に,それが「老衰死」なのか「ワクチンによる死亡」なのか区別がつくのでしょうか?

亡くなった方の親族であれば,心情的には高齢者の死亡原因をワクチン接種と結びつけたくなります.

 

政府は,毎週1,755名と同水準の高齢者が亡くなられていく中,お一人お一人の死亡原因とワクチン接種との因果関係を調査するのでしょうか?

現実的には,高齢者がワクチン接種後に亡くなられたとしても,政府の補助金を期待するのは簡単なことではないかもしれません.

ワクチン報道にあおられないために

一方で,「ワクチン接種後に亡くなられる方」の話は,マスコミの格好の標的です.

集団接種が進めば,上の理由で自然死ともワクチンの副作用による死亡とも見分けのできない,死亡事例が発生するでしょう.

 

死亡事例が発生したときに,マスコミは途端に「ワクチン副反応の恐怖」を煽ると思いますが,ぜひ冷静にマスコミの報道と事実を切り離して冷静に判断してください.

すぐに,反ワクチンの論法に乗せられる必要はないと思います.

医療の専門家ではない私も,ワクチン接種後に発生するであろう死亡事例の真の原因はわかりません.ある程度時間を置いて,ワクチン接種前後の国内全体の死亡者数の変化を見て,ワクチン接種により死亡者数の増加がないか確認したいと考えています.

ワクチン接種は義務?任意?

2021年2月時点では,Malasia国内においては外国人を含めて,国民のワクチン接種は任意となっています.

Malaysia政府は積極的に国民にワクチンを接種していく方向性を示しており,いずれワクチン接種記録がないと行動が制限されるなど,ワクチン接種が半強制のような仕組みづくりが行われるのではないかと危惧しています.

 

Malaysiaに住んでいる身としては,いつワクチン接種の順番が来るのか不安な気持ちで過ごしています.

Malaysia以外の外国に住まれている日本人の方は,みなさん同じような気持ちだと思います.

Muhyiddin首相はPfizer社ワクチンを接種

2月24日には,Muhyiddin首相がPfizer社のワクチンの安全性を国民にみせるために,自らワクチン接種をしました.

Malaysia政府は,Pfizer社を含む複数のワクチン会社と契約をしており,すでに国民の109%近くに接種できるだけのワクチン供給枠を獲得しています.

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2021年2月時点では,ワクチン接種は任意となっていますが,いつ接種が強制になるか心配しています.

国民のワクチン確保料は充分だけど

ワクチンはMalaysia国民全員に摂取して,外国人にも摂取しても余るワクチン数量を確保しています.

ワクチンの保管だけでも大変な費用がかかることを考えると,早めに国民全員に接種をしたいと2021年後半から政府が焦り始めるのではないかと私は予想しています.

ワクチン数量が余るほど充分にあるだけでなく,Malaysiaはいわゆる"lockdown(都市封鎖)"のような行動制限令 MCO 2.0を実施しています.すでに,名目だけのMCO 2.0を終わらせるためにもワクチンが必要だと政府が考えているのではないでしょうか.

陽性者数=検査数×陽性者率

1日あたりの陽性者数が3,000人を超え始めてから,強硬な行動制限令に踏み切った政府ですが実態は多すぎるPCR検査数に原因があると思います.

特に外国人労働者を中心に半強制的に,症状のある無しに関わらず日々PCR検査を6万件近く行っています.

MCO 2.0を延長しようが,毎日6万件のPCR検査を行っていれば陽性者数は一定数発生し続けます.そうなると,MCO 2.0を終わらせる理由として最後の切り札が”ワクチン”です.

ワクチンが国民に行き渡ることで,以前の国民生活が安全に送れるようになると政府は宣伝するはずです.

まとめ

Malaysia政府もワクチン接種を促進するために,副作用による重症化を保証する補助金内容を発表しました.

一方で,ワクチン接種を拡大するために,ワクチン接種後に重症化する事例が発生してワクチンの安全性を主張し続ける姿勢をとるでしょう.

万が一の副作用悪化の可能性を針小棒大に議論する必要はありませんが,報道を見る際も冷静にワクチンの議論を判断していただくために本記事がお役に立てるような内容でしたら幸いです.

 

もちろん副作用が出る確率はごくわずかですので,副作用が出た時のことを強調しすぎて考えてもいけないので落ち着いて考える必要があります.

”万が一”の副作用悪化riskを針小棒大に私は語るつもりもなく,各個人が冷静に自分の年齢や持病などをもとにワクチン接種をするか,どこで接種をするか判断すれば良いと思います.

 
こにゃん
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