2021年7月現在,無期限の行動制限令が発令されており,生活で不便をしています.
日本へ一時帰国をした方が良いでしょうか?
2021年後半は,感染症拡大・医療体制の逼迫・政治情勢の混沌を理由に,安全のために日本に一時帰国した方が良いと思っています.
本記事では,2021年7月現在のMalaysiaの国内状況をふまえて,Malaysia在住の方が一時帰国をおすすめすめする理由を3つ紹介します.
私は2021年7月13日現在,感染拡大が止まらないMalaysiaに住んでいます.
Malaysia在住の日本人が一時帰国を選んでいる中,私なりに残るべきか,去るべきか悩んでいました.
この記事では,Malaysiaに住んでいる方にとって帰国すべきかどうかの判断の一助になるように書いています.
日本からこの記事を読んでくださっている読者の方には,Malaysiaに住んでいる日本人が置かれている状況を共有できればと思います.
Malaysiaから日本に一時帰国すべきか?
2021年7月13日現在,Malaysiaは1日あたり・人口あたりの陽性者数・死亡者数ともに東南Asia諸国の中で最悪の状態となっています.
Malaysia在住の日本人の方は,いま日本に一時帰国すべきか悩んでいらっしゃる方が多くいると思います.
Malaysiaの暗黒期
Malaysiaに滞在することに対する恐怖は,
- 「自分がいつか感染するのではないか?」
- 「感染した時に適切な医療を受けられるか?」
- 「いつになったら人間らしい生活ができるか?」
いつまで耐えれば良いかわからないことが更に不安を助長させます.
在留邦人は一時帰国した方が良い3つの理由
私は「Malaysia国内情勢の先の見えない中,一時帰国をした方が良い」と考えています.
理由は次の3つです.
- 感染拡大
- 医療体制の逼迫
- 政局の混乱による国内正常化の遅れ
自分がいつ感染するかわからないほどMalaysia国内の感染状況は悪化しており,感染した場合は医療逼迫を理由に適切な医療を受けられない可能性があります.
一方で,与党連合の間に亀裂が走っており,現政権が引き摺り下ろされて新政権が樹立する可能性が出てきました.
2021年7月現在,すでに厳しい全面的な都市封鎖が早2ヶ月近く発令されています.
一向に感染抑止に効果がみられませんが,国内政治が混乱するとますます国民が置いておきぼりにされて,国内正常化が遅れるのではないかと危惧しています.
ポイント
できれば,在留邦人の方は日本へ一時帰国して,2021年年末まではMalaysia国内の感染状況・ワクチン接種進捗・政局を静観して,再度Malaysiaへの入国を検討された方が良いと思います.
1.止まらない感染拡大
日々,感染状況が悪化しているMalaysiaに2021年7月15日時点での様子をお伝えします.
Malaysia国内では変異株の流行により,感染が拡大する一途を辿っています.
在マレーシア日本国大使館の注意喚起
在マレーシア日本国大使館でも国内の感染状況につい注意喚起を掲載しています.(2021年7月15日時点)
引用:在マレーシア日本国大使館
「首都圏における感染拡大」,および「入院病床の逼迫」が取り上げられており,在留邦人の方は一層のこと健康にご注意ください.
日本人が住む住居地Mont Kiaraの地区でも,集団感染が確認されて対象地区が厳格に封鎖されることが起きており,病原菌はすぐ近くまで迫っていることを感じます.
1日あたり1万人を超える陽性者数,100名ほどの死亡者数が報告されています.
Malaysiaの人口が3,200万人ですので,日本の人口相当の陽性者数は4万人,死亡者数は400名となります.
日本にお住まいの方も,いかにMalaysiaの国内感染状況が悪化しているかご理解いただけるかと思います.
都市封鎖中の感染拡大
Malaysiaでは,2021年4月中旬の断食の時期を機に感染が再拡大を始めました.
Malaysiaは全面的な都市封鎖(FMCO,Full Movement Control Order)を発令しているにもかかわらず,感染拡大を抑えることができていません.
日々,陽性者数は増加しており,死亡者数も連日100名を超えています.
COVID-19: 15 Julai 2021
J kes sembuh:6,095
J kumulatif:765,800 (86.95%)J kes baru:13,215
J kumulatif:880,782J kes aktif:108,369
Kes local:13,202 (10,845WN, 2,357BWN)
Kes import:13 (7WN)J kematian:110(95WN)
J kumulatif:6,613(0.75%)J kes di ICU:885
Pesakit Intubated:432 pic.twitter.com/Skzhk3hAOb— Noor Hisham Abdullah (@DGHisham) July 15, 2021
経済を凍結させて,国民生活を制限させる行動制限令を発令して,早2ヶ月近く経ちますが,一向に感染抑制の兆しが見えない状況です.
ポイント
国民は先の見えない感染症との戦いと行動制限令による,身体的な不調,心理的な抑圧,そして失業による餓えにに苦しんでいます.
東南Asia諸国の中でも最悪の状況
次のgraphは,1週間平均した1日あたり・人口あたりの新規陽性者数の推移を東南Asiaの諸国別に表しています.
人口あたりの陽性者数でみると,Malaysiaが圧倒的に多いことがわかります.
さらに,1週間平均した1日あたり・人口あたりの感染症新規死亡者数の推移を東南Asiaの諸国別に表したgraphは次になります.
奇しくも,東南Asia諸国ではIslam教国家のIndonesiaとMalaysiaが人口あたりの死亡者数では最悪となっています.
Indonesiaでは在留邦人の死亡が多く確認されています.
在留邦人290人が感染、未確認含め21人死亡か デルタ株急拡大のインドネシア
<デルタ株は医療システムが脆弱な国で猛威をふるい、過去最多の感染者が出るなか、影響は日系企業と日本人にも──>https://t.co/6Hjer84ObP
— ニューズウィーク日本版 (@Newsweek_JAPAN) July 11, 2021
大手ゼネコンは政府に要請をして航空便でIndonesia現地の駐在員を日本に一時帰国する判断をしています.
Malaysiaでは,日本企業が現地の駐在員を日本に一時帰国する判断をしたという報道は聞いていません.
ポイント
人口あたりの陽性者,死亡者数を見ると,Malaysiaの方が日本よりも感染状況は悪化しています.
感染状況が比較的良い日本に一時避難することは手だと思います.
2.医療体制の逼迫
Malaysiaにおける感染症対策の顔となっている,Dr. Noor Hisham保健省長官は,KL,Selangor州を含めて都市でICU病床が7月初旬にほぼ100%埋まっていることを述べています.
→The Strait Times: Hospitals in KL, 3 other areas exceed maximum capacity: Malaysia’s health chief
在マレーシア日本国大使館も,国内の医療病床の逼迫を受けて注意喚起を出しています.
医療関係者はICU逼迫を解決するために工夫を凝らして,化学・生物兵器で攻撃されたときの避難所地下の駐車場にICU 50病床を追加しました.
これがMalaysiaの医療病床逼実態か…
地下駐車場に追加設置されたICU50病床 https://t.co/dOsikEieIh— こにゃん (アイコン変更)@マレーシア駐在員30代 (@Konyan_blogger) July 9, 2021
医療関係者の工夫には頭が上がりませんが,いつ何時自分が感染して入院するか分かりません.
しかし感染拡大が止まらず,ICU入院患者の数が減少していません.
ポイント
もし自分がMalaysiaで感染して重症化した場合に適切な医療を受けられない可能性が比較的高いとみています.
日本の場合はICU病床の使用率は全国平均16%,東京でも30%以下となっているため,万が一の時の医療を受けらえる安心感があります.
3.政局の混乱による国内正常化の遅れ
Malaysiaの政権を担っているのはMuhyiddin Yassin首相です.
Muhyiddin首相の支持層が磐石でないことから,現政権がいつ転覆させら得るか憶測を読んでいます.
現政権の元で進められている「国家回復計画」は成功しているとはいえないものの,政権交代となるとMalaysiaの復興計画は白紙に戻ります.
ポイント
政治劇が始まると国民生活ばかりが置いてきぼりとなり,人間らしい生活ができる日がいつ戻ってくるのか先が見通せなくなってきています.
国民を置き去りにした政治劇の始まり
Muhyiddin首相は2020年3月1日の就任以来,一度も国民総選挙を行なっていないため,選挙で戦えるのか不安視をされています.
現政権が国会の中の過半数の支持を得られているか長く疑問の声が上がっていましたが,感染症対策のために国会が閉鎖されており現首相はなんとか1年以上政権の座を守り続けています.
与党である政党PPBMと連立政権を組むUMNO(統一マレー国民組織)は,7月になり公式にMuhyiddin政権を支持しないことを表明しました.
UMNOが連立政権から離脱したら、Muhyiddin政権は国会議員の過半数支持を得られず、政権崩壊になる可能性高い。
副首相になったUMNO所属のSabri上級大臣の腹の底は知らないですが、UMNOの離脱は単純な話にならないような気がします。
国民が政治に苦しめられているのに、これ以上空中戦は勘弁して。 https://t.co/i7W22Cq0bA
— こにゃん (アイコン変更)@マレーシア駐在員30代 (@Konyan_blogger) July 8, 2021
ポイント
与党と連立政権を組んでいるUMNOの政権不支持表明で,現内閣が国会で半数の支持を得られるか不透明になり政局の不安定化.
国家再開は2021年7月26日
非常事態宣言が2021年1月12日に発令されて以来,半年以上国会が閉会しています.
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非常事態宣言が発令中は,政権は感染症対策を行いながら,同時に国家のワクチン計画を推し進めることで国内の正常化を目指していました.
一方で,非常事態宣言を政治目的で利用していると批判する声もあります.
ついに国王が国会を再開させる勅旨をお出しになり,政府は国会の再開時期を牛歩戦術で遅らせていたものの7月26日から5日間の期間で国会を開くことを認めました.
与党と連立政権を組んでいるUMNOがMuhyiddin政権の支持をしないと発表したことから,現政権が国会で半数の支持を得られない可能性があります.
7月26日の国会再会とともに首相に不信任状が叩きつけられて,政権交代が一気に行われる流れが推測できます.
ポイント
2021年7月後半から政局が大きく動く可能性があり,政治が不安定化したときに都市封鎖を含めた感染症対策の先行きが見えなくなるriskがある.
まとめ:感染状況,政局が安定するまでは一時帰国
感染状況が悪化している2021年7月以降,私は在留邦人は早めに日本に一時帰国したした方が安全のために良い選択だと考えています.
Malaysia国内の感染症が拡大が止まらず,いつ自分が感染して入院するかという可能性が確実に高まっているように感じます.
感染が再拡大したことで国家回復計画通りに経済再開・行動制限緩和ができておらず,2021年内の先行きが暗闇となっています.
さらに政局が不安定化していることから,国民を蚊帳の外に置いた,政治劇で都市封鎖が更に延長されて自由な生活が遠のく可能性があります.
ポイント
- 人口あたりの陽性者,死亡者数を見ると,Malaysiaの方が日本よりも感染状況は悪化.
- Malaysiaで感染して重症化した場合に適切な医療を受けられない可能性が比較的高い.
- 2021年7月後半,政治が不安定化し感染症対策の先行きが見えなくなる可能性がある.
いまはMalaysiaと距離をとって状況を見守ることが最善の選択に思えます.
今後,日本とMalaysia政府で相互のワクチン接種証明書の枠組み構築ができた時点で,Malaysia再入国を考えても良いのではないでしょうか.
記事では日本への帰国をすすめておきながら,自分がまだ決断できておらず,お恥ずかしいです.
Malaysiaでの仕事もあるのですが,仕事以外にどうしてももう少しMalaysiaでやっておきたいことがあります.
キリが良いところで日本に帰国をします.
これから日本に帰国される方は,Malaysiaに再入国した際のホテル隔離の記事もあわせてお読みください.
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ここまで本記事をお読みいただきありがとうございます.
最後に,日本にいても,海外にいても気軽にonlineで英語学習ができる『レアジョブ』を紹介させてください.
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