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暗闇の中で食事をするレストラン『Dining In The Dark』で,自分が何を食べようとしているか確かめようのないドキドキ体験をしてきました.
料理は美味しくて品数も多く手頃な価格で食べられるレストランであるだけでなく,「視覚がない中で食事をするとはどういう感覚なのか」に対する問いを自分で確認できる場所でもあります.
レストランの場所はMalaysiaの観光名所「Bukit Bintang」から徒歩で行ける場所にあります.
「Dining In The Dark」はこんな方におすすめ
暗闇の部屋に案内されて,文字通り手探りで食事をすることになります.
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こんな方におすすめ
こんな方におすすめ
- 付き合い始めたばかりの恋人を連れていくレストランを探している方
- 仲の良い友だちでワクワクする食事体験をしたい方
恋人同士であれば,自分の手も見えない漆喰の黒の中で,相手の手を握るという意思疎通が自然とできます.
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仲の良い友だちと一緒に訪れても良いと思います.みんなで食べている料理を”当てっこ”して盛り上がります.
ポイント
目で見て食べ物を確かめられなくなった時,自分の嗅覚と味覚を駆使して料理を推測せざるを得なくなります.自信を持って料理を言い当てようとすると,意外に友だちとは十人十色で違う意見になり,嗅覚と味覚がいかに人によるのか実感することになります.
こんな方にはおすすめしません
「一人での食事」と「打ち解けていない人との二人の食事」はおすすめしません.
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私は一人でも外出食事することが好きですが,暗闇の中誰とも話すことなく一人での食事は寂しすぎるので,仲の良い友だちと『Dining In The Dark』で食事してきました.
一人で訪れることはおすすめしません!
打ち解けていない人と2人で一緒に行くとしらけるので要注意です.
ポイント
映画は観ているだけで楽しめるので初デートには映画館はおすすめですが,「Dining In The Dark」は暗闇の中で会話を盛り上げなくてはいけないので初めてのデートでは難易度が高いです.
賑やかなChangkat通りにある電球の看板
レストラン『Dining In The Dark』は,Malaysiaの首都Kuala Lumpurでも有数のbar通り「Changkat Bukit BIntang」にあります.
入り口が分かりずらいのですが,飲茶で有名なお店『Opium(乌香院)』の隣にあるステーキのお店『The Steakhouse KL』の地上2階にあります.
お店の看板は,電球の中に,フォーク,スプーンとワイン瓶が並べられた構図になっています.
周りのお店が掲げる明るい看板に比べると,やや地味なので見逃してしまいがちです.
私も百回以上はレストラン『Dining In The Dark』の前を通っていますが,今までレストラン『Dining In The Dark』の存在に気が付きませんでした.
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賑やかなバーを通り抜けて細い通路を通って,2階に続く階段を登るとお店があります.
Changkat通りは外国人たちがお酒を楽しむ声で賑やかなのですが,階段を登ってお店に入るとその声も徐々に遠のいていきます.
階段を登った先の壁には歌手Ray Charlesの肖像画がかけられています.
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お店のバー・カウンターで予約していた名前を告げると,ソファーに案内されて料理コースとサービスについて説明を受けます.
「Dining In The Dark」のmenu
Menuは大きく分けて3つです.単品で注文するのではなく,コース料理が基本となっています.
- Classic Menu RM 138(日本円 3,800円)
- Vegerarian Menu RM 138(日本円 3,800円)
- Wine Pairing Menu RM 198(日本円 5,400円)
コース料理料理には,次が含まれます.
- Appetizer
- Soup
- Main dish
- Dessert
ポイント
料理の内容は食べ「終わる」まで明かされません.
他にもお酒を含む飲み物を注文できます.Wine glassは1杯 RM 31(日本円 900円)でした.
ポイント
私は"Classic Menu"を注文して,ワインを2杯注文しました,友だちと私の2名で訪れて料金はRM 410(日本円 12,000円)でした.
暗闇での食事は想像を超えた体験
明かりが灯ったカウンターでメニューの説明を受けた後,食事をするテーブルがある部屋に案内されるのを待ちます.
スマート・フォンを預け入れる
食事をする部屋に入る前に,貴重品をロッカーに預けます.スマート・フォンは特に貴重品入れに預け入れるように注意をされます.
スマート・フォンの持ち込みを禁じる理由は,その後,暗室に案内されると明かりを出す機材を持ち込ませないための手順だったのだと納得します.
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レストラン『Dining In The Dark』を訪れる前に,Google・Instagramで料理の写真を調べたのですが一向に見つからず,ようやく訳がわかりました.写真を撮りたくても撮れなかったのだと.
強制的にスマート・フォンを手放すことで,普段いかに無意識にスマート・フォンを触っていたかに気付かされます.
暗闇の食卓に案内される
スマート・フォンをロッカーに入れて待機をしていると案内人の方が現れます.
この案内人の方は実は視覚障害者の人です.「私がお二方のテーブル担当をします,よろしくお願いします.」と簡単な自己紹介がありました.
案内人の方が指示を出します.「私の背中に手を乗せて着いてきてください.その後の人は前の人の両肩を持って,一列になって歩いてください.」
小学生の頃遊んだ”ジェンカ”のような感じで,案内人の方を先頭に私と友達は列を作りました.
そして,案内人の方はカーテンで閉ざされた部屋の奥に私たちを誘います.
カーテンの先は自分の手すら見えない漆喰の闇が待ち受けています.案内人の方は流石に慣れていることもあり,ゆっくりとではありますが確実な足取りで暗闇の奥に私たちを案内します.
果たして自分は目を開けている?閉じている?
テーブル前まで到着すると,案内人の方が私たちを1人ずつ座る補助をしてくれます.
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恐る恐る手を伸ばしてみると,確かにナイフとフォークに指が触れます.
「暗闇の中でどうやって食事するの?料理はもちろん見えないのに.」と不安になりました.
5分くらい暗闇にいると,徐々に目が慣れてきます.
”眩しい光に目が慣れる”とはよく言いますが,吸い込むような暗闇にもやがて目が慣れます.というよりも,目がものを見る視覚機能を停止して,瞼を開けていても閉じていても違いがなくなります.
私の相方の声は暗闇の向こうから聞こえるのですが,近くにいるのか遠くにいるのか距離感がありません.周りのテーブルに数組のお客さんがいるようでしたが,一体何人いたのか正確な人数は分かりませんでした.
「もし誰かが私たち2人の横に息を潜めて,聞き耳を立ててたら怖いよね」と半分冗談,半分本気で相方と話しました.
注文の多い料理店にようこそ
案内人の方が給仕係となり,コース料理を運んできてくれます.
私たちの目の前にお皿を置くと同時に食べ方を丁寧に説明してくれます.
「目の前には4つの小皿が置かれています.向かって,左手手前の小皿から時計回りに食べていってください.」
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漆黒の闇での食事は感覚が研ぎ澄まされる体験
給仕係からは料理の説明がないので,暗闇の先に置かれた食材が果たして何であるか判別しないまま,思い切って口に運ばざるを得ません.
食器を使って食事を切り分けても,果たして思い通りに一口サイズに切れているか分からず,食べる時も唇の触感を駆使して口に入ろうとしている食べ物の大きさと質を確かめます.
食事を口に入れる前に,鼻の嗅覚を使って最大限の情報収集をします.口に入れた後は,舌の触感と味覚を駆使して味の評価と食材の分析を進めます.
相方と食べた食事について,食材の”当てっこ”と感想を交換します.
視覚がない食事は,「味は温かくて美味しい」「これはジャガイモかな」など言い回しが簡潔で直裁な感想ばかりになります.視覚がある食事では目に見えるお皿の様子を精一杯伝えようとしていて,味わいが雑多な表現の中に埋もれてしまいます.
ポイント
人間は五感から受け取る近くのうち,約80%が視覚だと言われていますが,暗闇の中で聴覚・嗅覚・触覚・味覚が視覚を補完しようとして鋭くなることが感じられました.
入店してから退店するまで約2時間経っていました.真剣に目の前の食事のことを考えていたせいか,自分たちでも2時間暗闇の中にいたことが信じられませんでした.
記憶に深く刻まれた味
デザートまで食べ終えると,案内係の人が再び現れて私たちを外まで案内してくれました.
暗室の外に出て再び明るい部屋に戻ってきた時,目から入ってくる情報を処理するのに時間がかかりました.
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冷房が効きすぎていた暗室から抜け出して,テラス席に案内されると生暖かい夜の風が懐かしくなります.ここで,初めて暗闇の中で食べたコース料理のメニューが手渡されて,”答え合わせ”をすることができます.
暗闇で視覚が失われて自分が何を食べているか分からなくても,興味だけで食事できるということは一つの酔狂なのでしょう.
生物である肉体の飢えを満たす目的を超え,舌の満足を求める欲だけでなく,未知のものを知りたいという好奇心を満足させます.
料理の味は美味しくて,品数も多いので食事としても満足でした.ただし,料理の質については高級店とは呼べるものではありませんでした.
暗闇での食事という新体験ができて,研ぎ澄まされた自分の感覚を楽しむことができました.
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Dining In The Darkへの行き方(電車)
電車でレストラン『Dining In The KL』に行く場合のおすすめは「MRT Bukit Bintang」を利用する方法です.
「Pintu A(出口 A)」がある改札口を目指します.
「Pintu A」の階段を登ると,有名な屋台街Bukit Bintangの近くにある地上にでます.
坂を下るように歩いていくと,Changkat通りがあり,緑色の看板が目印のレストラン『Opium』を目指して歩きます.
Changkat通りは夜遅くまでバーで飲む外国人で賑わっています.
路上での犯罪も起きやすい地域なので安全には最大限お気をつけください.
レストラン『Opium』の隣にある,暗い通路を抜けると2階に続く階段があります.2階に目的のレストラン『Dining In The Dark』があります.
まとめ:漆黒の暗闇で食事を超えた体験!恋人・友だちと感性の共有
レストラン『Dining In The Dark』では,暗闇の中で,謎に包まれた食材を口にするという奇妙な体験をすることができます.
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視覚が閉ざされたとき,食事をどのような感性で食べることになると思われますか?
一度,レストラン『Dining In The Dark』で新し体験をしてみてください.
店舗情報
お店の名前 Dining In The Dark KL
住所 50A, Changkat Bukit Bintang, Bukit Bintang, 50200 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur
営業時間 18:00 - 21:30(月曜日定休)
電話番号 +60 12-305 2011
公式site dininginthedarkkl.com
ここまでお読みいただきありがとうございます.